222011年09月04日

楽譜上に表示する使用ハーモニカの調について

● 必要となる複音ハーモニカの調の種類

複音ハーモニカは各調ごとに用意されています。1つの複音ハーモニカで出せる音は、対応する調の音階音のみです。また、演奏できる和音は「吹く」ときに同時に発する音の組み合わせによる和音と(C長調の場合はドミソの組み合わせ)、「吸う」ときに同時に発する音の組み合わせによる和音(C長調の場合はレファラシの組み合わせ)のみです。このとき、演奏性の観点からすべての組み合わせが演奏できるわけではありません、たとえばC調のハーモニカで「吸う」場合に、レファシやファラレは演奏が困難です。 

複音ハーモニカの演奏はこのような制約があるため、単音を演奏する場合に複数調に対応すべく複数本もつ場合と、複音{和音)を演奏する場合に複数調に対応すべく複数本もつ場合が生じます。

1 単音を演奏するときに複数本もつ場合  

楽譜上に、その楽譜の調(主調)の非音階音が出現する場合には、主調のハーモニカだけでは演奏ができず、非音階音を含むハーモニカを併用して使います。

2 複音(和音)を演奏するときに複数本もつ場合

 C長調複音ハーモニカで演奏することのできるメジャーはCメジャーのみです。ですからGメジャーコードやFメジャーコードを演奏するためにはG長調やF長調のハーモニカを使わなければなりません。同様にEマイナーコードやAマイナーコードもその調のハーモニカをもつ必要があります。 ただ、3和音を簡略して2和音で間に合わせるようにすればずっと和音演奏の種類が増えます。たとえばGメジャーコードのときシレで間に合わせることです。複音にしてメロディーをもりあげたいとき、やむを得ず2音にする場合もあります。また、ピアノとのアンサンブルアレンジで、ピアノがメロディーを演奏しハーモニカがコードを刻むとき、2和音にしている場合もかなりあります。このような検討をして、必要となる調のハーモニカを決めています。その場合、演奏性の観点から通常は3本ですむようにアレンジしています。(まれに4本の場合もあります)

(私は、ハーモニカ4本や5本グループでのアンサンブルで、曲の多彩さをだすためにコードハーモニカを使いたくない場合が多々あり(コードハーモニカの方にバリトンハーモニカを持っていただきます)、そういう場合にコードを刻む場合は、2つのハーモニカを使って和音を構成させている場合もあります。たとえばC長調のハーモニカを使ってGの和音を演奏する場合は1本でソ、他の1本でシレを演奏という具合です)

実際の曲は単音時で必要なハーモニカと複数(和音)時で必要なハーモニカと両方が必要になります。ただし、全体としては、両方の合計とは限らず、共通でいける場合が多いです。いかに少ない数のハーモニカでいけるかを考えながらアレンジする必要があります。


● 次に演奏の流れにおいて、どの区間において、どの調のハーモニカを使うかは演奏性に基づきます。非音階音が現れたとき、その音だけ切り替えて使うのは切り替えがスムーズでない場合が多く生じます。 たとえば ドーソ(#ファ)ソ という場合、#ファだけ1音をG長調のハーモニカで演奏するとぎごちなくなるので、ソ(#ファ)ソはまとめてG長調のハーモニカで演奏するほうが自然な進行に演奏できます。 複音(和音)が出るときも音の進行が自然になるようにハーモニカを切り替えなければなりません。 

★ 以上のように使用すべきハーモニカを決定し、それらの使用の流れを決定するのはハーモニカを演奏しない私にはとても判断できない場合が多々あります。そこで、複音ハーモニカの奏法につきまして 「ザ・レガート」 として一緒にアンアサンブルさせていただいてます日本ハーモニカ芸術協会師範の高村昌幸氏のご教授を受けています。

楽譜上で、以上の観点から複数のハーモニカを使用する場合に、使用する調のハーモニカの使用区間をカッコで示しました。使用するハーモニカの調はアルファベットを四角で囲った文字で表示しています